2006年 01月 09日
ディープサウス紀行(アラバマ) |
アトランタを後にして、これから先はディープサウス(深南部)の本番です。まずはアラバマ州は州都モンゴメリーへ。アトランタからは高速で2時間程度の近さです。
モンゴメリーの街は、州都とはいってもとても小さく(アメリカじゃ州都は行政機能が中心ですから)、ダウンタウン一角を除いたら、もうすぐに綿花畑と草原が広がっています。
■ローザ・パークス博物館等(モンゴメリー)
アメリカ現代史シリーズ第2弾。
1955年に、その後の公民権運動の引き金となったモンゴメリーでの「バスボイコット事件」を記念した博物館。ローザ・パークスという黒人女性が、人種毎に規定したバスの座席ルールを無視して(正確にはルールは違反していないのですが)逮捕された、という事件。
ローザ・パークスさんは去年の10月に亡くなって、改めてまたこの事件、いろいろとメディアでも取り上げられていました。 実際の逮捕の様子を再現した映像付展示で、一通りの流れが分かり、さらに、事件後、街の黒人が1年に渡ってバスをボイコットした経過・様子が展示されています。その統率にあたったのが、牧師としてモンゴメリーに赴任してきたばかりのMLKだったそう。それにしても見事に統率の取れたボイコット運動、不満の鬱積した人たちの静かな怒りを感じずにはいられません。 ここで中学生位の女の子とご家族(白人)が熱心に展示に見入っていました。おそらく学校の授業で習ったかで、実際に見に来たんでしょうね。これ以外の公民権運動の拠点でも、こういったご家族、よく見かけました(黒人白人問わず)。
■セルマへ(※)
モンゴメリーを後にした後は、高速を降りて国道80号線を1時間半、さらにさらに小さな街セルマへ。昔は綿花の栽培・積み出しの中心だったそう。道中、綿花畑が延々と続きます、もう刈り取られた後でしたが、綿花の花が一斉に咲く10月頃はとても綺麗なことでしょうに。 街は本当に小さく、イメージしていた通りの、南部の寂れたスモールタウンだー!と興奮(?)。夕方の日差しが傾く中、宿の前には廃墟が寂しげに連なり、でも、その一方で街中は人の活動があって(古いDIY屋がその廃墟の並びにある)、夕方、家路を急ぐ人たちなどもいて、不思議な雰囲気の街でした。 ※ここはモンゴメリーと並び、公民権運動の盛り上がりの端緒となった場所。1964年に投票権法が成立してからも、黒人は実質的に投票できない(選挙人登録できない)ことに抗議が続いていたそう。ある時デモ参加者が警察に殺害されたことを契機に、州都モンゴメリーまでのデモ行進「自由の行進」(1965年)が企画され、ここセルマを出発。
しかし、セルマの街からモンゴメリーに向かう橋(エドムンド・ペタス橋↓)を渡ったところで、州警察が催涙ガスや警察犬を動員して実力で行進を阻止(「血の日曜日事件」)。 この様がアメリカ全土にTV中継され、同じアメリカでこんなことが・・・と驚愕だったそう(この前のカトリーナみたい)。結局、連邦政府の介入でデモ行進は保護され、州都まで多くの人が行進したそう。
■国立投票権博物館(セルマ)
アメリカ現代史シリーズ第3弾。
セルマ街中には、この「自由の行進」を記念する小さな博物館(National Voting Rights Museum and Institute)があり、この行進の前に先立つここの社会状況を含め、当時の状況を詳しく展示しています。これがわずか40年前のことなんて、、、とここでも改めて驚愕。
昨年2005年は投票権法施工の40年記念でもあったのですが、その記念日が8月6日、そう広島原爆の日と同じ。TVのニュースでは、まず「広島60周年」を報道し、それから「投票権法40周年」を報道していました。なんだ国内にあんな不正義を抱えながら、大義名分かざして原爆落としてったのね、と唖然としたものです。 ここで説明してくれている地元の活動家のおじさん、実際に行進にも参加していたとのこと。有名な方らしい。この方が、もう、ものすごい熱弁で、当時のことを語ってくれます、ちょっと訛りが強かったけど。
さらに近くには、「奴隷博物館(Slavery & Civil War Museum)」、これ結構楽しみにしてたんだけど、閉館時間前なのに既に閉まってる・・・念のため電話してみたら、「今日はもう終わらせちゃった」だって。
ここを過ぎてもう少し先に行くと、「オールド・ディポ博物館(Old Depo Museum)」というのもあって、この周辺での綿花栽培の歴史とか、プランテーションの生活の状況とかいろいろ展示しています。しかしここ、受付前の時計がズレていたようで、行ったら「もう閉めるよ~」とのこと。
でも、とても親切なおじいさん&おばあさん、入場料は要らないからささっと見て行っていいよ、と中に入れてくれました。
このおばあさん、昔(おそらく戦後すぐ)横浜は山手に住んでいたことがあるそう、懐かしそうに日本語を話してくれました。こういうのなんだか嬉しいです、こんな田舎でも東洋人に親近感持っている人がいるんですから。 さらに、この日の夜、ホテルのレストランが南部料理で有名らしいので夕食を楽しみにしていたんだけど、5時半すぎてもレストランに電気が付いてない。今日は何時に開くの?とフロントに聞くと、「何時だっけ?」「何時だったかしら?」と受付のお姉さん2人、結局、奥へ聞きに行きました。戻ってきたら「今日はやらないんだってー」。おーいー、呑気なんだからもう。
■バーガーはローカル店にこそ真骨頂あり「Flame Grille」
ランチ時にはモンゴメリーの小さい街中。セルマへの移動もあるから、まあ適当に済ませよう、ということで、地元の人で賑わう普通のアメリカ料理屋さんへ。大して期待していなかったのですが、しかし!ここのハンバーガー、いや本当においしかったのです。私的には、アメリカで食べたハンバーガーで一番おいしかったかも!
→はCajun Burger。スパイスは適度に効き、しかしパテにはしっかりとお肉の味がし、焼具合もちょうどよい!大きくふんわり丸いバンズもお肉の味を邪魔しません。
こんなおいしいバーガーが、こんなローカル店で普通に食べられるなんて。。。「アメリカの食事は不味い」という一般論は、ここモンゴメリーの地にて見事に覆されたのでした。
秋のアリゾナ旅行でも、ユタの片田舎で入ったレストランのバーガーが激ウマだった驚きがありました。夏から続いているバーガー戦争、どうも勝負は、当然ファーストフード店でもなく(Hardee’sは支持するけど)、バーガーチェーンでもなく(Five guysもおいしいけど)、ローカル店の地道な努力にあるのではないか?!というのが、当座の我々の考察です。
Flames Grill Downtown
142 Montgomery St
Montgomery, AL 36104
(334) 264-0010
モンゴメリーの街は、州都とはいってもとても小さく(アメリカじゃ州都は行政機能が中心ですから)、ダウンタウン一角を除いたら、もうすぐに綿花畑と草原が広がっています。
■ローザ・パークス博物館等(モンゴメリー)
アメリカ現代史シリーズ第2弾。
1955年に、その後の公民権運動の引き金となったモンゴメリーでの「バスボイコット事件」を記念した博物館。ローザ・パークスという黒人女性が、人種毎に規定したバスの座席ルールを無視して(正確にはルールは違反していないのですが)逮捕された、という事件。
ローザ・パークスさんは去年の10月に亡くなって、改めてまたこの事件、いろいろとメディアでも取り上げられていました。
■セルマへ(※)
モンゴメリーを後にした後は、高速を降りて国道80号線を1時間半、さらにさらに小さな街セルマへ。昔は綿花の栽培・積み出しの中心だったそう。道中、綿花畑が延々と続きます、もう刈り取られた後でしたが、綿花の花が一斉に咲く10月頃はとても綺麗なことでしょうに。
しかし、セルマの街からモンゴメリーに向かう橋(エドムンド・ペタス橋↓)を渡ったところで、州警察が催涙ガスや警察犬を動員して実力で行進を阻止(「血の日曜日事件」)。
■国立投票権博物館(セルマ)
アメリカ現代史シリーズ第3弾。
セルマ街中には、この「自由の行進」を記念する小さな博物館(National Voting Rights Museum and Institute)があり、この行進の前に先立つここの社会状況を含め、当時の状況を詳しく展示しています。これがわずか40年前のことなんて、、、とここでも改めて驚愕。
昨年2005年は投票権法施工の40年記念でもあったのですが、その記念日が8月6日、そう広島原爆の日と同じ。TVのニュースでは、まず「広島60周年」を報道し、それから「投票権法40周年」を報道していました。なんだ国内にあんな不正義を抱えながら、大義名分かざして原爆落としてったのね、と唖然としたものです。
さらに近くには、「奴隷博物館(Slavery & Civil War Museum)」、これ結構楽しみにしてたんだけど、閉館時間前なのに既に閉まってる・・・念のため電話してみたら、「今日はもう終わらせちゃった」だって。
ここを過ぎてもう少し先に行くと、「オールド・ディポ博物館(Old Depo Museum)」というのもあって、この周辺での綿花栽培の歴史とか、プランテーションの生活の状況とかいろいろ展示しています。しかしここ、受付前の時計がズレていたようで、行ったら「もう閉めるよ~」とのこと。
でも、とても親切なおじいさん&おばあさん、入場料は要らないからささっと見て行っていいよ、と中に入れてくれました。
このおばあさん、昔(おそらく戦後すぐ)横浜は山手に住んでいたことがあるそう、懐かしそうに日本語を話してくれました。こういうのなんだか嬉しいです、こんな田舎でも東洋人に親近感持っている人がいるんですから。
■バーガーはローカル店にこそ真骨頂あり「Flame Grille」
ランチ時にはモンゴメリーの小さい街中。セルマへの移動もあるから、まあ適当に済ませよう、ということで、地元の人で賑わう普通のアメリカ料理屋さんへ。大して期待していなかったのですが、しかし!ここのハンバーガー、いや本当においしかったのです。私的には、アメリカで食べたハンバーガーで一番おいしかったかも!
→はCajun Burger。スパイスは適度に効き、しかしパテにはしっかりとお肉の味がし、焼具合もちょうどよい!大きくふんわり丸いバンズもお肉の味を邪魔しません。
こんなおいしいバーガーが、こんなローカル店で普通に食べられるなんて。。。「アメリカの食事は不味い」という一般論は、ここモンゴメリーの地にて見事に覆されたのでした。
秋のアリゾナ旅行でも、ユタの片田舎で入ったレストランのバーガーが激ウマだった驚きがありました。夏から続いているバーガー戦争、どうも勝負は、当然ファーストフード店でもなく(Hardee’sは支持するけど)、バーガーチェーンでもなく(Five guysもおいしいけど)、ローカル店の地道な努力にあるのではないか?!というのが、当座の我々の考察です。
Flames Grill Downtown
142 Montgomery St
Montgomery, AL 36104
(334) 264-0010
by NCTerry
| 2006-01-09 00:30
| 旅行編